日本時間2022年3月9日に行われたApple Eventで、新型Apple純正ディスプレイ「Studio Display」が発表されました。今回はPro Display XDRとスペックを比較していきながら、Studio Displayの特徴について紹介していきます。
1.デザイン
まずはStudio Displayのデザインを見てみましょう。こちらは最もオーソドックスな、傾きのみを調整できるスタンドを搭載したStudio Displayです。M1チップを搭載したiMacのシルバーモデルをさらにシンプルにしたようなデザインになっています。
Pro Display XDRとデザイン、サイズを比較してみましょう。ベゼルはStudio Displayのほうが太くなっていますが、背面はAppleロゴと接続端子があるのみで、Pro Display XDRに見られるようなインパクトの強い通気口は存在しません。また、スタンドの長さはStudio Displayのほうが短くなっています。
2.ディスプレイ
Studio Displayのディスプレイは「27インチの5K Retina Display」「600ニトの輝度」「10億色」が大きな特徴です。27インチiMacは5K、500ニトでしたので、iMacのディスプレイの輝度をより大きくしたのがStudio Displayといってもいいでしょう。
一方、Pro Display XDRは「32インチ6K Retina Display」「1000ニトの持続輝度(フルスクリーン)/1600ニトのピーク輝度(HDRコンテンツのみ)」「超広角(XDR, Extreme Dynamic Range)」 が特徴です。ピクセル密度(ある面積当たりのピクセル数)はStudio Displayと同じ218ppiです。
簡単に言えば、Pro Display XDRのディスプレイの輝度を落とし、ピクセル密度を保ったまま画面サイズを小さくし、視野角を狭くしたのがStudio Displayのディスプレイということですね。
3.接続端子
接続端子はStudio Display、Pro Display XDRどちらも同じです。アクセサリのための3つのUSB-Cポート、対応するMacを接続・充電できる1つのThunderbolt 3ポートを搭載しています。
ただし、接続端子の位置は、Studio Displayが左下、Pro Display XDRが右の真ん中となっています。
Pro Display XDRにはiPadは対応機種として明記されていませんが、Studio Displayでは12.9インチiPad Pro(第3世代以降)と11インチiPad Pro、iPad Air(第5世代)が対応機種として認定されています。iPadに対応したものを求めているならStudio Display一択ですね。
映像出力機器を接続する際に気を付けてほしいのが、対応するMac/iPad以外で接続すると、解像度が下がったり、センターフレーム機能が使えなくなったり、True Toneが使えなくなったりする場合があることです。対応機種には十分気を付けましょう。Studio Display、Pro Display XDRの対応機種について詳しくはApple公式ページをご覧ください。
4.カメラ、スピーカー、マイク、制御チップ
Studio Displayはセンターフレームに対応した12MP超広角カメラと、空間オーディオに対応した6スピーカーサウンドシステム、3マイクアレイ、そしてこれらの機能を制御するためのA13 Bionicチップ(iPhone 11シリーズと同じチップです)を内蔵しています。
Pro Display XDRにはカメラ、スピーカー、マイク、制御チップは内蔵されていません。
6.スタンド
Studio Displayは3タイプのスタンドを用意しています。1つは傾きを調整できるスタンド、2つ目は傾きと高さを調整できるスタンド、そして3つ目はVESAマウントに対応したアダプタです。ただし傾きと高さを調整できるスタンドを選択する場合、44,000円ほど上乗せされます。
Pro Display XDRは傾きと高さと回転を調整できるスタンド、またはVESAマウントアダプタのどちらかを選択できます。ただしスタンドは約12万円と高額です。VESAマウントアダプタも約2万円。
気を付けなければならないのが、Studio Displayの場合はスタンドを取り外しできないこと。Pro Display XDRはスタンドを取り外してVESAマウントアダプタを装着させることができます。
7.ディスプレイオプション
Studio DisplayとPro Display XDRは、どちらのモデルであっても標準ガラスまたは映り込みを低減させるNano-Textureガラスのどちらかを選択できます。
ただし、Nano-Textureガラスは標準ガラスより高価です。Studio Displayの場合は43,000ほど上乗せ、Pro Display XDRの場合は77,000円ほど上乗せになります。
8.価格
こちらはStudio Display、Pro Display XDRの価格(税込)です。Studio Displayは20万円から購入できます。最低約60万円もするPro Display XDRと比較すると、高性能モニタ―としてはStudio Displayはかなりコスパのよいモデルなのではないでしょうか。
(Pro Display XDRの最高価格は、Pro StandとVESAマウントアダプタの両方を購入したときの最高価格です。)
まとめ:Studio Displayは、価格を抑えながらも高性能
ここまでStudio DisplayとPro Display XDRを比較してきましたが、Pro Display XDRには搭載していないカメラとスピーカー、マイクを搭載していると考えれば、Studio Displayはただの廉価版に位置するモデルではありません。
Pro Display XDRに近い品質のディスプレイを備えながらも、20万円弱という価格を実現しているStudio Displayは、クリエイティブな作業を行うユーザーには魅力的な商品となるはずです。
最後まで記事をお読みいただきありがとうございました。これで失礼します。
↓Studio DisplayはまだAmazonで販売していないようです。とりあえずPro Display XDRの購入リンクを貼っておきます。高すぎて面白い値段なので見てみてください。
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